当館の創業期 ~開館30周年に寄せて~
トヨタ産業技術記念館 館長の大洞和彦です。
当館は今月、開館30周年を迎えました。トヨタ自動車の創業者・豊田喜一郎氏の生誕100周年である1994年6月11日に一般公開を開始した当館は、本年5月末時点で累計720万人以上のお客様にご利用いただきました。心からお礼をお申し上げます。加えて感謝を伝えたいのは、当館の開館準備段階から現在までの歴代事務局と運営スタッフの皆さんです。
私は2021年1月に第7代館長に就きましたが、それまでの館の歴史を知りたいと思い、翌22年に6人の歴代館長にお会いし、当時のお話を伺いました。幸い全員ご健在で、資料や写真を見せて頂きながら、さまざまなエピソードを聞かせて頂きました。
中でも、開館の2年前(1992年1月)から準備事務局のリーダーを務めた齋藤謹吾初代館長のお話は、まさに創業期の苦労そのものでした。あえて館名からトヨタを外してモノづくりの記念館を作ろうとしたこと、開館が迫る中で「見えない綱の上を渡る」ように準備を進めたことなど、当事者しかお話頂けないような内容ばかりでした。その際に頂いた写真が、下の集合写真です。当時の緊張感が伝わってくるように思います。
余談ですが、歴代館長のうち数名から「なぜ館名にトヨタを付けた」とお叱りを受けました。館名が現行に変更されたのは20周年の年(2014年)で、私が決めたわけではないのですが、甘んじてご指導をお受けしました。当館開館に至る熱い思いは、しっかりと受け継いでまいります。
産業技術記念館(当時)の準備事務局の方々
(1994年1月撮影、齋藤謹吾初代館長提供)
投稿2024年6月の館長コラムはトヨタ産業技術記念館の最初に登場しました。